OMAN navi !! (オマーンへの誘い)

海亀産卵見学紀行

 
 
turtle
rasalhadd
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  • 2001 年 12 月
  • 写真・旅行記
  • シンガポール在住:ドリアンマックさん
 

 海亀産卵見学紀行

ToSur
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To Ras Al Hadd
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オマーン国のスールという港町までドライブしてきました。 目的は海亀の産卵を見学するためです。
知る人ぞ知る、超穴場の観光スポットなのですが、なんせ、首都のマスカットからオフロードを約 350 kmも走らざるを得ないので、相当の忍耐がいる事は予め、覚悟しておりました。
亀の産卵見学は自然保護の見地から、オマーン政府の厳しい管理下にあり、事前の許可が必要との事。宿泊先のスール・ビーチ・ホテルから申請し、翌日、オマーン政府からのアラビア語の許可証を貰いました。どうやら、見学者の人数を制限しているらしく、特に子供は参加人数を限定しているようでした。 参加者は各自、夜 9 時に現地集合という事でホテルにて現地までの地図が渡され、スールの町から更に土漠を 60 km東へ車でドライブ。数少ない標識と GPS だけが頼りです。
場所はラス・アル・ジーンという名の海岸にありました。この日の参加者は欧米人中心に 100 人 くらい。キャンプをして泊まり込みの人もいました。二手のグループに分かれ、政府の係官の引率で見学が始まりましたが、懐中電灯は一切使用禁止、カメラのフラッシュは厳禁との事。亀を驚かせないための配慮だそうです。折しもこの夜は満月で、雲ひとつ無いクリアな空、見学には申し分の無いコンディションでした。
波打ち際から 20 mくらい上がった浜の砂丘には、4 〜 5 匹の雌亀が別々の穴を掘って産卵中。体長は 1.5 mくらいある巨大な青海亀。体重は 450 kgもあるそうな。(本当かな?)ちょうど海から、のそのそと這い上がってきた一匹は、見学者にびっくりして引き返してしまった。
係官は産卵中の一匹の周りに見学者を集め、懐中電灯を亀のお尻あたりにかざして産卵シーンを見学者に見せてくれた。ピンポン玉より一回り大きいサイズの卵を係官がひとつ取り出して見学者の掌にのせてくれる。とても軟らかそうで、温かかった。月明かりの下、よく見ると亀は苦しみからか、うれしさからか、目を瞑りながらも涙を流している。そして、ある程度、産み終わると前脚で砂を掛けて穴を埋めていく。卵は 2 ヶ月後に孵化するそうだ。係官が別な場所から生まれてたての子亀を3匹連れてきた。掌に乗るサイズだが前脚が異様に大きい。これから大海に繰り出すためには、大きなオールが必要なのだろう。
それでも、親亀まで成長するのは 3000 匹に 1 匹の確率だそうだ。浜にはミイラ化した子亀の姿もあった。亀の世界も大変だ。
それにしても、この亀の産卵、バリウムを飲んだ後の排便に似ている感覚にとらわれた。これも涙が出るほどつらい。妻に同意を求めると、妻曰く「神聖なる産卵になんてこと言うの」と一瞥された。どうやら、自分のお産とイメージをダブらせているようだ。
この海亀の産卵は 10 月がシーズンだそうで、我々が訪れた 12 月末はもう終わりのころでした。ゴルフに飽きられた方、如何ですか?
この旅行記は、ドリアンマックさんがアラブ首長国連邦に在住されていた 2002 年に記載された情報を提供していただいたものです。

 
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